【妖怪ウォッチ3】monster-39

第0話
〜全ての終わり〜

◆　◆　◆

「これで良かったんだ….これで…皆は…」

ある日突然世界は崩壊した。
それまで日常を営んでいた人々は次々と『存在ごと』消え去っていった。
『世界』もまた徐々に無に還っていった。
そして数日後…
世界は完全にその形を喪ってしまった。
ーーはずだった
しかし、無明の闇しか存在しないはずの『世界』であったはずの場所に一人の少女が佇んでいた。
(また、か….)
少女は理解していた。何が起こってしまったかを。
(何度同じ事を繰り返したんだろう….)
そう、この少女は”消滅”を何度も見てきているのだ。目の前で突如大切な人が消えていく瞬間を…。
(何故私だけ”消滅”しないのかは未だに分からない…。けど1つ分かるとすれば私は…)
そう、少女は『造られた存在』なのだと理解してしまった。いや、否が応にもせざるを得なかった。
また、少女には『世界』を消す為の力があると本能的に理解していた。
それが何を意味するかを分からないほど少女は愚かではなかった。
(これ以上『世界』が”消滅”する位ならいっそ…)
いっそ、自分の力を逆流させて『世界』を”再生”すればいい。
(当然私は”消滅”するでしょうけど…皆が助かるのなら私は…)
これ以上の思考は必要なかった。

ーーその数瞬後
無明の空間は極彩色の光に包まれた。そして『世界』は元通りになった。
一人の少女の犠牲によって…。

◆　◆　◆

ーー同刻
「…それが君の答えだとでも言うのか…」